○広川町男女共同参画推進条例
平成26年12月9日
条例第28号
目次
前文
第1章 総則(第1条~第7条)
第2章 基本的施策(第8条~第17条)
第3章 男女共同参画推進審議会(第18条)
第4章 雑則(第19条)
附則
わが国の憲法では、個人の尊重と法の下の平等がうたわれています。また、国際的な男女平等推進の流れの中で、平成11年に「男女共同参画社会基本法」を制定するなど、男女が互いに人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現が、最重要課題として位置づけられました。
広川町では、平成8年に「広川町人権擁護に関する条例」を制定し、部落差別をはじめ、障がい者、女性、いじめ等のあらゆる差別を無くし、町民一人ひとりの参加による、明るく住みよい町の実現に取り組んできました。
しかしながら、現実には性別による差別や固定化された役割分担に基づく、社会制度、慣行、暴力など多くの課題が残っています。
このような状況を踏まえて、本町は、地域や職場、家庭などの様々な場面で、男女共同参画により地域社会が活性化するまちづくりを図るため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本町における男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、町の責務並びに町民及び事業者の役割を明らかにするとともに、町の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画の社会づくりを総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されることにより、男女が等しく政治的、経済的、社会的及び文化的な利益を受けることができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
(2) 町民 町内に居住する者、町内に通勤する者及び町内に通学する者をいう。
(3) 事業者 営利又は非営利を問わず、町内において事業又は活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。
(4) 積極的改善措置 第1号に規定する機会についての男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画の社会づくりは、次に掲げる基本理念に基づいて推進されなければならない。
(1) 男女の人権が尊重され、あらゆる場において、性別による差別的扱いを受けることなく、自らの意思と責任において個人としての能力を発揮する機会が確保されること。
(2) 男女が性別による慣習的に固定された役割分担に基づく慣行又は制度に縛られることなく、自らの意思と責任において多様な活動の選択ができるよう配慮されること。
(3) 男女が社会の対等な構成員として、町における政策又は地域及び民間団体における方針の決定に参画する機会が確保されること。
(4) 家族を構成する男女が、互いに家庭を尊重し、相互の協力と社会の支援の下に、子どもの養育、家族の介護その他の家庭生活において、家族の対等な一員としての役割を果たし、かつ、就労をはじめとする社会活動に参加できるよう配慮されること。
(5) 男女の対等な関係の下に、互いの性に理解を深め、互いの意思が尊重されることにより、安心して健やかな生活を営むことができるよう配慮されること。
(6) 教育が男女共同参画の意識の形成について重要な役割を果たすため、学校教育、社会教育、家庭教育等のあらゆる教育の場において、人権の尊重と男女共同参画を推進すること。
(7) 男女共同参画のまちづくりは、国際社会における取組及び成果と密接な関係にあることを考慮して、国際的協調の下に行うこと。
(町の責務)
第4条 町は、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下「男女共同参画推進施策」という。)を総合的に策定し、及び実施しなければならない。
2 町は、国及び他の地方公共団体と連携を図るとともに、町民及び事業者と協力して男女共同参画推進施策を実施しなければならない。
3 町は、実施する全ての施策について、男女共同参画の推進に配慮しなければならない。
(町民の役割)
第5条 町民は、基本理念にのっとり、家庭、地域、職域、学校その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画を推進するよう努めなければならない。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、男女共同参画社会への理解を深め、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、男女共同参画を積極的に推進するよう努めなければならない。
2 事業者は、その雇用する男女について、雇用上の均等な機会及び待遇を図るとともに、育児、介護等の家庭における役割を果たしつつ職業生活を営むことができるよう、職場環境等の整備に努めなければならない。
3 事業者は、町の男女共同参画推進施策に協力するよう努めなければならない。
(性別による差別の禁止等)
第7条 全ての人が、家庭、地域、職域、学校その他の社会のあらゆる分野において、他の者に対して性別による差別的な扱いをしてはならない。
2 全ての人が、配偶者その他の親密な関係にある者に対して身体的、精神的、経済的又は性的な苦痛を与える暴力行為をしてはならない。
3 全ての人が、他の者の意思に反し、性的な言動により不快感若しくは不利益を与え、又はその生活環境を害することをしてはならない。
4 全ての人が、性同一性障害を理由とする差別をしてはならない。
第2章 基本的施策
(基本計画)
第8条 町長は、男女共同参画推進施策を総合的かつ計画的に推進していくため、男女共同参画に関する計画(以下「男女共同参画計画」という。)を定めなければならない。
2 町長は、男女共同参画計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。
3 町長は、男女共同参画計画の実施状況について年次報告書を作成し、公表しなければならない。
4 男女共同参画計画の変更については、第2項の規定を準用する。
(調査研究等)
第9条 町は、男女共同参画の推進に必要な情報収集及び調査研究を行うものとする。
(啓発活動等)
第10条 町は、町民及び事業者が男女共同参画に関する理解を深めるよう、情報の提供及び啓発活動を行うものとする。
(教育の充実等)
第11条 町は、家庭、地域、学校等のあらゆる教育の場において、男女共同参画に関する教育及び学習の充実を図らなければならない。
2 町は、職場、学校及び地域において、男女共同参画の推進に関わる人材の育成に努めるものとする。
(家庭への支援)
第12条 町は、家族を構成する男女が、家事、育児、介護等の家庭における役割を協力して担うことができるよう、情報の提供、相談その他の必要な支援を行わなければならない。
(雇用への支援)
第13条 町は、関係機関と連携し、事業者に対して、雇用の分野における男女共同参画の推進を図るための支援を行わなければならない。
(団体への支援と連携)
第14条 町は、町内で活動を行う団体における男女共同参画を推進するため、当該団体に対し啓発、情報の提供その他の支援を行わなければならない。
2 町は、男女共同参画の推進について自主的な活動を行う団体と連携を図るとともに、当該活動に必要な情報の提供その他の支援を行わなければならない。
(政策等の立案及び決定への共同参画の促進のための措置)
第15条 町は、政策の立案及び決定の過程に、男女が共に参画できる機会を確保しなければならない。
2 町は、町の審議会等における委員を任命し、又は委嘱する場合においては、当該委員の男女の均衡を図るように努めなければならない。
3 町は、性別に関わりなく、職員の能力及び意欲に応じた登用を図るため、就業環境の整備等に取り組むとともに、能力向上の機会の確保に努めなければならない。
4 町は、地域組織等の方針の立案及び決定の場において、男女が共に参画できるよう助言及び適切な支援を行うものとする。
(相談への対応)
第16条 町は、男女共同参画の推進に関する町民及び事業者からの相談に対応するため、相談窓口を設置し、町内外の行政機関又は民間団体との連携の下、適切な措置を講じるものとする。
(苦情の処理)
第17条 町長は、町が実施する施策について、町民又は事業者から男女共同参画に係る苦情の申出があった場合は、当該申出を適切に処理するよう努めるものとする。
第3章 男女共同参画推進審議会
(広川町男女共同参画推進審議会の設置)
第18条 町長の諮問に応じ、男女共同参画計画の変更等の重要事項について調査審議し、又は男女共同参画推進施策の実施状況について意見を聴くため、広川町男女共同参画推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 前項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第4章 雑則
附 則
この条例は、平成27年4月1日から施行する。